SGL鋼板とは?特徴・メリット・注意点と選び方

SGL鋼板は、めっきにマグネシウムを加え、錆びにくさを高めた鋼板です。

薄い鋼板を加工して屋根に使うため、軽く、すっきりした外観に仕上げられます。特徴は、見た目では分からない「鋼板を守るめっき」にあります。

家づくりでSGLを選ぶなら、錆への強さと、色あせ・雨音・暑さへの対策は別と考えることがポイントです。


目次

SGL鋼板ってどんなもの?

SGL鋼板は、日鉄鋼板が開発しためっき鋼板「エスジーエル」です。

アルミニウムと亜鉛を中心とする合金めっきに、2%のマグネシウムを添加しています。マグネシウムが保護皮膜を緻密につくる働きを助け、鋼板の腐食を抑えます。特に切断面や傷の周辺で、腐食を抑制する効果があるとされています。日鉄鋼板「エスジーエル」

「SGLです」だけでは、屋根の仕様は分からない

SGLは、屋根製品のもとになる鋼板の名前です。

その鋼板に塗装を施し、折り曲げたり段差をつけたりして、屋根材へ加工します。同じSGLを使っていても、塗装の種類や板厚、継ぎ目の構造は製品によって異なります。

つまり、SGLという名前で分かるのは材料の一部。完成する屋根の仕様までは分かりません。


SGL鋼板の構造

住宅の屋根に使われる塗装SGL鋼板は、主に次の部分からできています。

部分主な役割
表面の塗膜色やツヤをつくり、水や酸素などが内側へ届きにくくする
マグネシウムを含む合金めっき鋼板の腐食を抑える
鋼板本体屋根材の形と強さを支える

※実際には下塗りや裏面の処理などもあります。

SGLの特徴は、このうちの合金めっきにあります。

マグネシウムは、表面にもう一枚の膜として重ねるのではなく、めっきの成分として含まれています。その働きによって、水に溶けにくい緻密な保護皮膜が形成されやすくなります。

ただし、これは傷が元どおりにふさがるという意味ではありません。腐食を抑える働きと、傷そのものを直すことは別です。


SGL鋼板のメリット

腐食が始まりやすい場所を守りやすい

屋根材は、施工時に切ったり折り曲げたりして使います。広い平面だけでなく、端部や加工部分も雨風にさらされます。

SGLの強みは、こうした腐食の起点になりやすい部分への対策を、めっきの段階で備えていることです。

屋根は完成後に手を入れにくい場所です。見た目では分からない部分の耐久性を、材料選びで高められることに意味があります。

屋根の重量を抑えやすい

薄い鋼板を使うため、屋根を軽く仕上げやすい材料です。

ただし、SGLという名前だけで屋根の重さが決まるわけではありません。板厚や裏面材などを含めた、製品全体の重量で判断します。

好みの外観に合わせて製品を選べる

縦のラインが通る屋根や、横方向に段差が並ぶ屋根など、加工方法によって表情が変わります。

色やツヤも表面の塗装によるものです。SGLを採用しながら、外壁や窓に合う仕上げを選べます。


デメリット・注意点

高耐食でも、傷や汚れを放置してよいわけではない

深い傷、施工時に残った切りくず、湿った落ち葉などは、腐食のきっかけになります。

SGLの耐食性は、こうした原因をなくすものではありません。施工中の扱い方や清掃、完成後の点検も必要です。

海からの塩分など、立地による影響もあるため、使用できる地域や保証条件は製品ごとに確認します。

色あせにくさは塗膜によって変わる

SGLを使っていても、屋根の色が変わらないとは限りません。

色あせが気になるなら、見るべきなのは表面塗膜の性能です。例えば日鉄鋼板の製品でも、塗膜の種類や色によって変退色保証の扱いが異なります。日鉄鋼板「ニスクカラーPro」の性能説明

錆びにくさを重視するならめっき、色の維持を重視するなら塗膜。 自分が気にしていることに合わせて、仕様を見る場所を分けましょう。

雨音・暑さ・へこみへの強さは別に考える

SGLの特徴は主に耐食性であり、防音材や断熱材としての性能ではありません。

雨音や室内の暑さは、屋根製品と建物側の構成に左右されます。また、強い衝撃によるへこみへの強さには、板厚や成形した形などが関係します。

「SGLにすれば屋根の弱点がすべて解消する」と考えず、気になる項目ごとに対策を見ておくことが大切です。


実は、SGL鋼板にも違いがある

同じSGLを使った屋根でも、価格や保証が違うことがあります。その差は、めっきだけでなく、塗膜・板厚・屋根形状・裏面材などの組み合わせから生まれます。

追加費用のある提案を受けたときは、「SGLに変わる費用」なのか、「塗装や屋根製品まで変わる費用」なのかを分けると判断しやすくなります。

例えば、色あせを抑えたいのに、変更点がめっきだけなら、その提案が悩みに合うとは限りません。反対に、塗膜まで変わるなら、その性能と保証も判断材料になります。

「高いほうが長持ちしそう」ではなく、追加費用で何が改善されるのかを見ることが、納得して選ぶための近道です。


こんなところを確認

確認すること見ておきたいポイント
商品名・仕様SGLを使った、どの製品を採用するのか
表面塗膜色あせや傷への対策、ツヤの違い
板厚・屋根形状強さや継ぎ目の構造、使える屋根勾配
雨音・暑さ対策製品と建物側で、どのように対応するか
追加費用めっき以外にも変わる仕様があるか
保証対象となる現象、期間、地域条件、対応範囲

保証は年数だけでなく、何を対象としているかを読みます。

穴あき保証は、色あせや雨漏りまで一括して保証するものではありません。 塗膜の剥がれ、変退色、腐食による穴あき、施工による不具合は、対象や窓口が分かれることがあります。

見積書や仕様書に商品名が残っていれば、将来の点検や補修でも、何を使った屋根かを確認しやすくなります。


「耐食性3倍超」なら、屋根も3倍長持ちする?

ひつヤギ君

SGLは耐食性が3倍超って聞いたよ。屋根も3倍長持ちするの?

じギィ博士

その数字は試験で腐食しにくさを調べた結果じゃ。家の屋根が何年使えるかを、そのまま3倍にできるわけではないぞ。

メーカーが示す「3倍超」は、比較対象を設けた複合サイクル試験の腐食減量から推定した数値です。実際の屋根寿命を保証する倍率ではありません。

SGLの耐食性は選ぶうえでの強みですが、屋根として長く使えるかどうかには、塗膜、施工、立地、手入れも関わります。

数字だけで決めず、計画している家の仕様と合わせて読むことが大切です。


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