屋根断熱について調べると、「充填断熱」「外張り断熱」「吹付ウレタン」「付加断熱」「通気工法」など、さまざまな言葉が出てきます。
どれも屋根断熱に関係する言葉ですが、同じ基準で分けた種類ではありません。
たとえば、「充填断熱」は断熱材を入れる場所を表す言葉です。一方、「吹付ウレタン」は使用する断熱材と施工方法を表します。「通気工法」は、断熱材の外側にある湿気をどう逃がすかという話です。
これらをすべて横一列に並べると、屋根断熱が必要以上に難しく見えてしまいます。
じギィ博士屋根断熱の工法を理解するときは、次の順番で考えると整理しやすいぞ。
- 【場所】断熱材をどこへ入れるか
- 【材料・施工方法】どの断熱材をどう使うか
- 【通気】湿気をどう逃がすか
まずは最も基本となる「断熱材をどこへ入れるか」から見ていきましょう。
【場所】屋根断熱の基本工法は2種類
木造住宅の屋根断熱は、主に次の2種類に分けられます。
| 工法 | 断熱材を施工する場所 | イメージ |
|---|---|---|
| 充填断熱 | 垂木など屋根の骨組みの間 | 骨組みの中を断熱材で埋める |
| 外張り断熱 | 屋根の骨組みの外側 | 骨組みを外側から断熱材で覆う |
さらに、充填断熱と外張り断熱を組み合わせる方法もあります。
そのため、次の3パターンとして覚えると分かりやすいです。
- 充填断熱だけ
- 外張り断熱だけ
- 充填断熱と外張り断熱の併用
① 充填断熱|屋根の骨組みの間に入れる
充填断熱は、屋根を支える「垂木」と「垂木」の間に断熱材を入れる方法です。
垂木とは、屋根の傾斜に沿って並ぶ木材です。その間にある空間を利用して、グラスウールや吹付ウレタンなどを施工します。
充填断熱のメリット
屋根の骨組みの中へ断熱材を納めるため、外側へ断熱層を大きく張り出さずに施工できます。
使用する断熱材や屋根形状にもよりますが、外張り断熱より材料と施工工程を抑えやすく、屋根断熱で広く採用されている方法です。
また、屋根材を施工して雨を防げる状態にしてから、建物の内側で断熱工事を進められるため、断熱材を雨にぬらすリスクも抑えやすくなります。
充填断熱のデメリット
断熱材の厚さが、垂木の高さに制限されることです。
屋根断熱では、外壁や床より厚い断熱材が必要になる場合があります。しかし、垂木の高さには限りがあるため、必要な断熱材を納められないことがあります。
さらに、垂木間に屋根通気のための空間をつくる場合は、同じ高さの中に、
断熱材+空気の通り道
の両方を納めなければなりません。
断熱材を厚く入れすぎれば、今度は通気層が狭くなる可能性があります。
垂木部分では断熱材が途切れる
充填断熱では、断熱材を垂木と垂木の間へ入れます。そのため、垂木がある部分には断熱材が入りません。
木材にも断熱性はありますが、一般的な断熱材より熱を通しやすいため、垂木部分が熱の通り道になります。
これを「熱橋」と呼びます。断熱材が木材部分で途切れると理解すれば十分です。
② 外張り断熱
垂木など屋根の構造材より外側へ、断熱材を連続して施工する方法です。
充填断熱では、断熱材が垂木の部分で途切れます。外張り断熱では垂木の外側まで覆えるため、木材を通って熱が移動する部分を減らしやすいのが特徴です。
ただし、断熱材の外側に施工する屋根下地や屋根材を、断熱層越しに構造体へ固定しなければなりません。
そのため、
- 断熱材の厚さ
- 固定に使うビス
- ビスの長さや間隔
- 屋根材の重量
- 風で屋根が持ち上げられる力
まで含めた構造的な検討が必要です。
外張り断熱は「屋根全体を連続して包みやすい」という特徴がありますが、厚い断熱材を挟んだ状態で屋根を確実に固定する難しさがあります。
③ 充填断熱と外張り断熱の併用
垂木間に断熱材を入れ、さらに構造材の外側にも断熱材を施工する方法です。
「付加断熱」「ダブル断熱」「併用断熱」などと呼ばれることがあります。
これは第3の基本工法というより、
充填断熱に外張り断熱を追加したもの
と考える方が正確です。
垂木間だけでは確保しにくい断熱材の厚さを増やせるほか、外側の断熱材が垂木部分も覆うため、木材を通って移動する熱も減らしやすくなります。
一方で、断熱材、下地、固定部材、施工工程が増えるため、構成が複雑になり、費用も上がります。


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