間取り図鑑No.001
LDK
Living Dining Kitchen
家族が集まり、料理・食事・くつろぎが同時に行われる空間。必要な広さは家族人数だけでは決まらず、キッチン形式・テーブル・ソファ・通路の重なりによって変わる。
選ぶポイントはLDK全体の畳数ではなく、キッチンを除いた広さと、家具を置いた後に残る居場所にある。

| 広さ | 動線 | 収納 | プライバシー |
| ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
※星が多いほど、その場所を計画するときに慎重な検討が必要となる。
LDKとは?
LDKは、リビング・ダイニング・キッチンの機能を一室にまとめた空間。
不動産広告では、寝室が1部屋なら8畳以上、2部屋以上なら10畳以上が、LDKと表示する際の目安となる。ただし、これは広告表示の基準であり、家族が快適に暮らせる広さを示したものではない。
また、LDKの畳数にはキッチン部分も含まれる。
たとえば18畳のLDKでも、対面キッチン、背面収納、冷蔵庫、キッチン通路に広さを使えば、リビングとダイニングに残る範囲は13畳前後になる場合がある。
同じ18畳でも、正方形に近いLDKと細長いLDK、出入口が一か所のLDKと通り抜け動線があるLDKでは、置ける家具が異なる。
- LDKの畳数にはキッチンとキッチン通路も含まれる
- 家族人数だけでなく、置く家具の大きさから広さを決める
- 床面積が広くても、通路が多いと居場所は小さくなる

広さの目安と考え方
LDKの広さは、家族人数だけで決めるものではない。同じ4人家族でも、必要な家具によって変わる。
| LDKの広さ | 置きやすい家具の目安 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 14〜16畳 | 4人掛けテーブル、2〜3人掛けソファ | キッチン形式と通路によっては家具同士が近くなる |
| 16〜18畳 | 4人掛けテーブル、3人掛けソファ | 出入口が多いと、数字ほど広く使えない |
| 18〜20畳 | 4〜6人掛けテーブル、大きめのソファ | 広さよりリビングとダイニングの配分が重要 |
| 20畳以上 | 大型家具、アイランドキッチンなど | 冷暖房、照明、家族間の距離も考える |
※一般的な家具寸法を想定した目安。部屋の形、キッチン、収納量によって必要面積は変わる。
主な種類と違い
縦長LDK|家具の幅が使い易さを決める

縦長LDKは、キッチン・ダイニング・リビングを奥行き方向へ並べる形。
キッチンからリビングまで見通しやすい一方、部屋の横幅が狭いと、テーブルとソファの間へ通路を取りにくい。
特に注意したいのが、ダイニングチェアを引いた状態。テーブルだけを図面へ置くと収まって見えても、椅子を引く範囲と後ろを通る場所を加えると、ソファ側へはみ出すことがある。
縦長LDKは畳数より、短辺方向の内寸を確認したい。
横長LDK|窓が家具を置く壁を減らす

横長LDKは、リビングとダイニングを外壁に沿って並べる形。
両方へ光を取り込みやすく、庭やバルコニーとのつながりもつくりやすい。一方、掃き出し窓を大きく取るほど、テレビ、ソファ、収納を置ける壁は減る。
窓、リビング入口、和室への引き戸が同じ側へ並ぶと、壁面が細かく分断される。
横長LDKでは窓の大きさだけでなく、窓を除いた連続する壁の長さを見る必要がある。
L字型LDK|食事とくつろぎを分けやすい

L字型LDKは、リビングとダイニング・キッチンの向きを変えた形。
空間を一体化しながら、食事をする場所とテレビを見る場所を分けやすい。キッチンからソファが直接見えにくく、生活感を抑えられる場合もある。
一方、L字の曲がり部分に壁や収納が入ると、キッチンからリビングを見渡しにくい。リビングとダイニングの面積配分を後から変えることも難しい。
L字型では、曲がり角に何があり、どこまで見通せるかを確認する。
メリット・デメリット
- 料理をしながら家族の様子を確認しやすい
- リビングとダイニングを共用し、限られた面積を広く見せ易い
- 家族が違うことをしていても、同じ空間で過ごせる
- 料理のにおい、食洗機、テレビ、会話の音が同じ空間へ広がる
- キッチンや食卓の散らかりがリビングから見えやすい
- 来客時も家族が使う通路とくつろぐ場所を分けにくい
LDKの広さは、家具ではなく空白部分に表れる
家具を置いた図面では、ソファやテーブルが収まっていれば問題ないように見える。
しかし、暮らしに必要なのは家具そのものの面積だけではない。
ダイニングでは椅子を後ろへ引く。ソファの前を通る。冷蔵庫や食器棚の扉を開ける。食洗機の引き出しを出す。庭へ洗濯物を持って移動する。
この空白部分が不足すると、椅子を引くたびに通路を塞ぎ、冷蔵庫を開けるたびに調理が止まる。
見るべきなのは家具が入るかではなく、家具を使っている最中でも人が動けるかとなる。
選ぶときに役立つ三つの視点
家族が同時に何をするかを見る

LDKでは、料理、食事、テレビ、勉強、在宅勤務が同時に行われる。
ダイニングテーブルを食事だけに使う家庭と、子どもの勉強や仕事にも使う家庭では、必要な大きさや照明が異なる。
テレビを見ながら食事をするのか、リビングとダイニングを分けて使うのかでも、家具の向きは変わる。
家族人数ではなく、夕方に家族全員が何をしているかを想定する。
冷蔵庫を誰が使うかを見る

冷蔵庫をキッチンの奥へ置くと、調理中に家族が背後を通る。
反対に、ダイニング側へ近づければ、飲み物や調味料を取りやすい。ただし、冷蔵庫の側面や中身がリビングから見えやすくなる。
冷蔵庫の位置は調理動線だけで決めず、料理をしない家族がキッチンへ入らず使えるかを見る。
テレビを置く壁から逆算する

LDKでは、テレビ位置を最後に決めると家具配置が崩れやすい。
大きな窓の正面では画面へ光が映り込み、掃き出し窓の横ではカーテンと干渉する。テレビ壁が短いと、将来大きなテレビへ替えにくい。
テレビの位置が決まれば、ソファの向き、ダイニングからの見え方、窓との関係も決まる。
間取りを見るときは、テレビを置ける壁がどこにあるかから確認したい。
選択肢になる住宅・注意したい条件
- 料理中もリビングやダイニングの様子を見たい家庭
- 家族が別々のことをしながら同じ空間で過ごしたい住宅
- 廊下や間仕切りを減らし、床面積を一体的に使いたい計画
- テレビ、仕事、勉強、料理の音を分けたい家庭
- 来客からキッチンや食卓を見せたくない住宅
- 夜勤や生活時間の違いがあり、家族の気配を分けたい家庭
購入前の確認と注意点
L・D・Kの広さを分けて確認する

「LDK18畳」だけでは、リビングへ何畳残るか分からない。
設計者へ、キッチンと通路が使う範囲、ダイニングを置く範囲、リビングとして残る範囲を分けて示してもらう。
特に対面キッチンは、本体だけでなく背面収納と作業通路まで含めて確認する。キッチンを広くした結果、ソファとテレビの距離が取れなくなる恐れがある。
家具を使用中の状態で図面へ入れる

図面には、家具の外形だけでなく、椅子を引いた状態、収納扉を開けた状態、食洗機や冷蔵庫の引き出しを出した状態まで重ねる。
ダイニングチェアの後ろを通るのか、誰かが座ると通れなくてもよいのかによって、必要な間隔は変わる。
モデルハウスの家具が小さく作られていないかも確認したい。
排気と給気の位置を確認する

一体型LDKでは、調理のにおいを壁で止められない。
レンジフードから外壁までのダクトが長く、曲がりが多いと、排気条件は不利になりやすい。給気が不足すれば、レンジフードを運転しても十分に空気を排出しにくい。
住宅では24時間換気が必要だが、これはレンジフードによる調理時の局所換気とは別の設備となる。
契約前に、レンジフードの排気経路、屋外の排気口、給気口、エアコンの位置を設備図で確認する。
ひつヤギ君18畳あれば、4人家族でも十分かな?
じギィ博士人数だけでは決められないぞ。対面キッチン、6人掛けテーブル、大きなソファを置けば、18畳でも窮屈になる。畳数ではなく、使いたい家具と通路が収まるかを見るのじゃ。
暮らしをつくる12の図鑑
HOUSE BUILDING ENCYCLOPEDIA
家づくりの知識を、ひとつずつ。
じギィ博士の研究ノート


