断熱図鑑No.002

ロックウール

Rock Wool Insulation

高炉スラグや天然岩石などを高温で溶かし、細い繊維にした無機系断熱材。

住宅では壁・天井の断熱材として使われるほか、吸音材や鉄骨の耐火被覆材にも利用される。熱に強い一方、不燃材料を使えば建物全体が耐火構造になるわけではない。

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初期費用断熱性能燃えにくさ施工の安定性
★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★★☆

ロックウールとは?

高炉スラグや玄武岩などを主原料とする人造鉱物繊維。繊維の間に細かな空気を保持し、熱の移動を抑える。

名前に「ウール」と付くが、羊毛ではない。「岩綿」とも呼ばれるものの、天然鉱物からできる石綿、いわゆるアスベストとも別の材料。ロックウールは工場で製造される人工繊維となる。

住宅用ロックウールの代表的な熱伝導率は0.038W/(m・K)程度。ただし、断熱性能は素材名だけでなく、製品の熱伝導率と厚さの組み合わせで決まる。

POINT
  • 高炉スラグや岩石を原料とする人造鉱物繊維
  • ロックウールとアスベストは別の材料
  • 不燃材料耐火構造同じ意味ではない

主な種類と違い

住宅用マット|柱や間柱の間へ充填する

住宅の壁や天井へ入れやすいよう、一定の幅厚さに成形した製品。防湿フィルムで包んだものと、表面材のない裸品がある。

適度な腰があり、切断後も形を保ちやすい。一方、配管や筋交いの周囲へ無理に押し込むと、裏側に空間が残る。障害物の形に合わせて切り分け、断熱材を前後から挟む施工が必要となる。

ボード・フェルト|硬さと密度を利用する

板状のボードや、やや柔軟なフェルトに成形した製品。

間仕切り壁、界壁、界床、設備まわりなど、断熱性に加えて吸音性耐熱性を求める場所で使われる。住宅用マットより密度の高い製品も多いが、密度が高ければ住宅の断熱性能も必ず高くなるとは限らない。

使用場所、熱伝導率、厚さ、表面材の有無を製品ごとに確認する。

吹付け・巻付け耐火被覆材|鉄骨を火熱から守る

粒状のロックウールとセメントなどを組み合わせて吹き付ける製品や、成形した材料を鉄骨へ巻き付ける製品。

主な役割は、火災時に鉄骨の温度上昇を遅らせること。木造住宅の壁へ入れる断熱マットとは、製品も施工方法も異なる。名称が同じでも、そのまま置き換えられるものではない。

メリット・デメリット

メリット
  • 無機質の繊維を主体とし、高温でも形状を保ちやすい
  • 繊維の細かな隙間が音を吸収し、壁内の反響を抑えやすい
  • シロアリの餌にならない
注意点
  • 柔らかな断熱材より細部へなじみにくく、複雑な部分では正確な切断が必要
  • 切断時に細かな繊維や粉じんが出るため、保護具と清掃が必要
  • 吸音性を期待しても、壁の構成が軽ければ十分な防音にならない

選ぶときに役立つ三つの視点

「住宅用」か「耐火被覆用」かを見る

ロックウールには、住宅用マット、吸音ボード、設備用保温材、鉄骨用耐火被覆材などがある。

同じ素材名でも用途は別。断熱材を探すときは、最初に住宅用として設計された製品かを確認する。

硬さを施工精度へつなげる

ロックウールの腰の強さは、壁の中で形を保ちやすい利点となる。ただし、材料が自然に隙間へ入り込むわけではない。

窓まわり、筋交い、配管部分では、形に合わせて切断する必要がある。押し込むだけの施工では、表面が埋まっていても奥に空間が残る。

不燃・防火・耐火を分けて考える

不燃材料「材料が燃えにくい」という区分。防火構造や耐火構造は、壁や天井を組み上げた状態の性能を指す。

ロックウールだけで決まるものではなく、石膏ボードの厚さと枚数、柱、外装材、留め付け方法まで含めた仕様となる。

選択肢になる住宅・注意したい条件

検討しやすい住宅
  • 火に強い無機系断熱材を選びたい
  • 間仕切り壁や界床の吸音性も重視したい
  • 壁内で形を保ちやすい充填断熱材を使いたい
注意したい条件
  • 製品名が「ロックウール」としか記載されていない
  • 不燃材料を使えば耐火住宅になると説明されている
  • 配管や筋交いが多いのに、細部の施工方法が決まっていない

購入前の確認と注意点

住宅用製品の品番まで確認する

見積書では「ロックウール断熱材」だけでなく、メーカー、品番、厚さ、熱伝導率、寸法まで確認する。

特に住宅用マットと高密度ボードでは、想定される施工場所が異なる。密度の数字だけで優劣を判断しない。

防耐火仕様と製品を照合する

防火構造や耐火構造を採用する場合は、認定番号や告示仕様を確認する。

断熱材の種類だけでなく、厚さ、密度、内外装材、下地、留め付け方法まで指定される場合がある。似た製品への変更が可能とは限らない。

吸音と遮音を混同しない

ロックウールは壁内の音を吸収するが、材料単体で音を完全に止めるものではない。

寝室、音楽室、二世帯住宅などで遮音を重視する場合は、石膏ボードの枚数、壁の二重化、コンセントや配管の貫通部まで含めた壁構成を確認する。



ひつヤギ君

ロックウールを入れれば、火にも音にも強い家になるの?

じギィ博士

材料としては熱と音に強い。ただし、耐火性能も遮音性能も壁全体の構成で決まるんじゃ。ロックウールの名前だけでなく、どの製品をどの壁へ入れるかを見ることが大切じゃぞ。

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