屋根図鑑No.007
片流れ屋根
Shed Roof
一枚の屋根を、一方向へ傾けた形。
広い屋根面を生かせる一方、高い側の納まりが要になる。

| 雨仕舞 | 耐風性 | 価格 | 小屋裏 |
| ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
片流れ屋根とは?
高い側から低い側へ、一枚の面で建物を覆う屋根。
上端を「水上」、雨樋のある下端を「水下」と呼ぶ。
棟や谷はないが、水上側では板金やルーフィングで端部を納める。
通気口を設ける場合は、雨を防ぎながら空気を通す工夫も必要になる。
- 分割されない大きな屋根面
- 水上と水下で異なる役割
- 片側に高さが偏る内部空間

メリット・デメリット
- 谷や隅棟がなく、屋根材の加工・接合箇所を減らせる
- 四角い屋根面に、太陽光パネルを整列させやすい
- 高い側に高窓を設け、隣家越しの採光を取り入れやすい
- 水上側は、吹き込む雨や端部を回り込む水への対策が必要
- 一つの軒先が屋根全体の雨を受けるため、排水負担が集中する
- 高い側の壁や足場が増え、屋根工事の安さが総額に直結しない
形状とデザインの違い
片流れ屋根は、勾配によって見た目と内部の高さが変わる。
同じ勾配でも、屋根を流す方向の奥行きが長いほど、高低差は大きくなる。

勾配を緩くした形
高低差を抑え、箱型に近い外観にまとめやすい形。
ただし、緩くするほど使える屋根材や葺き方が限られる。将来の葺き替えでも、既存の勾配に対応する製品から選ぶことになる。

勾配を大きくした形
屋根の傾斜を外観に見せ、高い側に空間を確保しやすい形。
例えば、水平距離8mを3寸勾配で流すと、屋根の高低差は2.4m。勾配を決めるときは、屋根の角度と高い側の壁の高さをセットで見る。
向いてる住宅・注意したい条件
- 太陽光を載せたい方角に、まとまった屋根面を向けられる家
- 隣家が近く、通常の窓より高い位置から光を取り込みたい家
- 天井の高い場所と低い場所を、部屋の用途に合わせ使い分けたい家
- 南向きの屋根面をつくると、北側の壁が高くなる
- 勾配天井にする範囲は、断熱する位置と合わせて計画
- 高窓は、開閉だけでなく清掃や部品交換の方法も考える
メンテナンスと注意点
水上側の板金を確認

地上から見えにくい、屋根の最も高い端部。板金の浮きや継ぎ目の開き、直下の軒天・外壁の雨染みを確認。
ケラバの継ぎ目を確認

屋根の左右を、水上から水下へつなぐ斜めの端部。長い辺を覆う板金の継ぎ目や先端に、めくれ・外れがないか確認。
雨樋と排水口を確認

雨天時に、どこからあふれるかを見る。落ち葉による詰まりのほか、雨樋の傾きや排水能力に原因がある場合もある。
ひつヤギ君雨は低いほうへ流れるのに、高い側にも雨漏り対策が必要なの?
じギィ博士風があると、雨は上から落ちるだけではないんじゃ。屋根の端へ吹き込んだり、表面を伝って裏へ回ったりすることもあるぞ。
ひつヤギ君じゃあ、高い側の隙間を全部ふさげばいいの?
じギィ博士そこに換気の出口がある場合、ふさぐと空気が抜けなくなる。水上側は、雨を防ぎながら必要な空気を通す納まりが大切なんじゃ。
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