間取り図鑑No.006

洗面・脱衣室

Washroom & Dressing Room

洗面・脱衣室は、顔を洗う、着替える、洗濯するといった動作が重なる場所。洗面台・脱衣スペース・洗濯機をどう配置するかで、使いやすさと必要な広さが変わる。

スクロールできます
広さ動線収納プライバシー
★★★★☆★★★★★★★★★★★★★★★

※星が多いほど、その場所を計画するときに慎重な検討が必要となる。

洗面・脱衣室とは?

洗面・脱衣室は、洗面台で身支度をする場所であり、入浴前後の着替えや洗濯をする場所でもある。

一室にまとめれば面積を抑えやすいが、誰かが入浴中に洗面台を使いにくいことがある。洗面台と脱衣室を分けると同時に使いやすくなる一方、壁やドアが増え、その分の面積が必要となる。

洗濯機を置く場合は、洗濯物を洗う場所だけでなく、干す・たたむ・しまうまでの流れも関係する。洗面台の幅だけで決めず、家族が使う時間帯と洗濯の仕方から考えたい。

POINT
  • 洗面台と脱衣室を一緒にするか、分けるかで使い方が変わる
  • 洗濯機から干す・たたむ・しまう場所までの距離を見る
  • 洗面台を家族や来客が使いやすい位置に置けるか考える

主な種類と違い

洗面・脱衣一体型

洗面台、着替えの場所、洗濯機を一室にまとめる形。

洗面・入浴・洗濯の場所がまとまり、廊下や間仕切りを増やさずに計画しやすい。脱いだ衣類を洗濯機へ入れやすい一方、入浴中は家族が洗面台を使いにくくなることがある。

洗面台を使う人と着替える人の動線が重ならないかも確認したい。

洗面台独立型

洗面台を脱衣室の外に設け、脱衣室には浴室や洗濯機をまとめる形。

入浴中でも洗面台を使えるため、家族の使用時間が重なりやすい家庭に向く。一方、洗面台が廊下や玄関から見える位置にあると、来客時に生活用品が目につきやすい。

洗面台の前で人が立ち止まっても、通行の妨げにならない配置かを確認する。

ランドリー兼用型

洗面・脱衣室に室内干しや作業カウンターを設け、洗濯物を干す・たたむ場所としても使う形。

洗濯機から干す場所、たたむ場所までを近くにまとめられ、洗濯物を別室へ運ぶ手間を減らしやすい。一方、物干しやカウンターを広げた状態で、洗面台の使用や着替えに必要な場所が残るかが課題となる。

干す量に合った広さと換気を確保し、洗濯作業中も家族が使えるかを確かめたい。

メリット・デメリット

メリット
  • 洗面、入浴、洗濯の場所を近くにまとめられる
  • タオルや着替えを浴室の近くに置きやすい
  • 洗濯から室内干しまでを一か所で行える形も選べる
デメリット
  • 一体型では、洗面・着替え・洗濯の動きが重なりやすい
  • 洗面台を独立させると、壁や通路に面積を使う
  • 洗濯機や収納を優先すると、着替える場所が狭くなる

洗面台の前と脱衣する場所を、別々に確保する

洗面・脱衣室では、洗面台や洗濯機が納まっていても、使う人の立ち位置が重なることがある。洗面台の前で身支度をする人、浴室から出て着替える人、洗濯物をかごへ移す人が同時にいると、誰かが動き終わるまで通れなくなる。

図面では設備の外形だけでなく、洗面台の前に立つ場所、着替える場所、洗濯かごを置く場所をそれぞれ書き込む。洗面台を使う人の後ろを通って浴室へ行けるか、脱衣中でも洗濯機やタオルに手が届くかを確かめたい。

家族の生活時間が重なるなら、洗面台を脱衣室の外へ出す、洗濯かごの定位置を変えるなど、設備を増やす前に立ち位置をずらせるか検討する。

選ぶときに役立つ三つの視点

洗面台と脱衣室を同時に使うか考える

朝の身支度と入浴の時間が重なる家庭では、洗面台と脱衣室を分けると使いやすくなる。反対に、使用時間が重ならず、広さを優先したい場合は一体型も選択肢となる。

「洗面台を使う人」と「着替える人」が同じ時間帯にいるか、家族の生活時間から考えたい。

洗濯物の行き先までつなげる

洗濯機を置く位置だけでなく、洗濯後の衣類をどこで干し、どこでたたみ、どこへしまうかを順に見る。

干す場所が離れていれば、濡れた洗濯物を運ぶ距離が増える。カウンターを設ける場合も、洗濯かごを置いた状態で着替えや洗面の場所が残るかを確かめたい。

洗面台を家族以外も使いやすい位置にする

洗面台を脱衣室の外へ出すと、入浴中でも使いやすくなる。来客が手を洗うときに脱衣室へ入らずに済む利点もある。

ただし廊下に置くと、鏡や洗面台の上が玄関やリビングから見える場合がある。使いやすさだけでなく、誰の視線に入る場所かも確認したい。

選択肢になる住宅・注意したい条件

検討しやすい住宅
  • 入浴中も洗面台を使うことが多い
  • 洗濯から室内干し・収納までの移動を減らしたい
  • 来客が脱衣室に入らず洗面台を使えるようにしたい
注意したい条件
  • 洗面台を分けるための通路や壁で、居室が狭くなる
  • 洗濯機の扉や収納を開けると、着替えの場所をふさぐ
  • 室内干しや収納を増やし、洗面台の前が通りにくくなる

購入前の確認と注意点

人が立つ場所と、通る場所を重ねない

洗面・脱衣室の床は、洗面台の前に立つ場所、浴室から出て着替える場所、洗濯物をかごへ入れる場所が重なりやすい。設備が納まっていても、朝の身支度中に別の人が浴室へ入ろうとすると、洗面台を使う人の後ろを通ることになる場合がある。

図面には設備だけでなく、洗面台を使う人と着替える人の位置、洗濯かごの定位置を書き込む。誰かが使っているときに、浴室や洗濯機へ無理なく移動できるかを確認したい。

洗濯前の衣類と、清潔なタオルの置き場を分ける

洗面・脱衣室では、洗濯前の衣類や濡れたタオルと、入浴後に使う清潔なタオルを同じ場所に置きがちになる。洗濯かごを置く場所だけで決めると、タオル収納の前をふさいだり、湿った物が収納に触れたりすることがある。

洗濯かごとタオル収納を別々に図面へ入れ、浴室から取り出す動作と、洗濯物を入れる動作がぶつからないかを見る。収納量だけでなく、使う物と洗う物を分けて置けるかがポイントとなる。

洗面台まわりの水濡れを想定して仕上げを選ぶ

洗面台の前は、手洗いや洗顔のたびに水が飛びやすい。水はねの範囲に木製収納や拭きにくい仕上げがあると、汚れや濡れが気になり、日々の手入れに手間がかかることがある。

洗面台の形や水栓の位置も見ながら、壁・床・収納の仕上げを選ぶ。見た目だけで決めず、濡れたときに拭きやすいか、収納の中へ水が入りにくいかまで確認したい。



ひつヤギ君

洗面台を脱衣室の外に出せば、使いやすくなるのかな?

じギィ博士

入浴中でも使えるようになるのは利点じゃ。ただ、誰がどこから使うか、洗面台の上がどこから見えるかまで決めておくと、配置を選びやすいぞ。

暮らしをつくる12の図鑑

HOUSE BUILDING ENCYCLOPEDIA

家づくりの知識を、ひとつずつ。

じギィ博士の研究ノート