内装図鑑No.003

突板フローリング

Veneer Flooring

天然木を薄くスライスした突板を、合板などの基材へ張り合わせた複合フローリング。薄い木を使うからこそ、木目の選別・並べ方・着色・表面強化によって、天然木らしさと性能のバランスを細かく調整できる。

選ぶポイントは、突板の厚さだけではない。板目・柾目などの木目、節や白太の選別、着色の有無、塗装、表面強化を見る。

スクロールできます
木質感傷への強さ寸法安定性補修性
★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★☆☆☆

突板フローリングとは?

突板フローリングは、天然木をナイフのような刃で薄くスライスした突板を表面に使う床材。住宅用には0.3mmや0.5mmの突板を使った製品があるが、厚さには全国共通の呼び分けがない。

鋸で厚く切り出す挽板と違い、突板は同じ原木から連続して薄く取れる。スライスした順番を保って並べれば木目が少しずつ変化し、選別して組み替えれば節や色差を整えることもできる。

つまり突板は、本物の木目を使いながら、床面にどのような木目を見せるかを製品側で設計しやすい素材となる。同じオーク突板でも、節を抑えた床、白太を含む床、着色で色をそろえた床では印象が大きく異なる。

表面が天然木であることと、無垢に近い見た目や触感であることは同じではない。突板の選び方、着色、艶、塗膜の厚さまで含めて仕上がりが決まる。

POINT
  • 薄く連続して取った天然木を、選別して表面へ使う
  • 同じ樹種でも、木目の取り方と着色で印象が変わる
  • 突板の厚さより、表面の設計が商品の違いになりやすい

主な種類と違い

板目・柾目・ロータリー杢|切り方で木目が変わる

突板は、原木をどの方向からスライスするかによって木目が変わる。

板目は、山形やタケノコ状の木目が現れやすく、木の動きを感じる表情。柾目は、線が平行に近く、すっきりした印象となる。丸太を回しながら剥くロータリー杢は、幅広い突板を取りやすく、板目や柾目とは異なる大きな模様が現れる。

床材では複数の木目を組み合わせる製品もある。樹種名だけで選ばず、板目が多いのか、柾目をそろえているのか、木目を混ぜているのかを見る。

素地色と着色タイプ|天然木でも色はつくれる

天然木の色を生かしたタイプは、樹種本来の濃淡や経年変化が見えやすい。節や白太を含む製品では、一枚ごとの個性も強く現れる。

着色タイプは、突板へ色を加えて、ホワイト、グレー、濃いブラウンなどを表現する。木目は本物のまま、天然色だけではつくりにくい色調へ整えられるのが特徴となる。

ただし、着色が強いほど樹種本来の色は分かりにくくなる。「天然木だから自然色」とは限らない。樹種を見るのか、色のデザインを見るのかを分けて選びたい。

一般突板と強化突板|木の組織を補強する製品がある

一般的な突板フローリングは、突板の上へ塗装を施して傷や汚れを抑える。日常のすり傷を最初に受けるのは、主に表面の塗膜となる。

一部には、木材内部の空隙へ樹脂を含浸・硬化させるWPC加工などを使い、突板そのものを補強した製品がある。へこみや摩耗へ配慮できるが、すべての突板床に使われる仕様ではない。

塗膜を強くする方法と、突板そのものを強化する方法は別。性能表示と加工名を確認する必要がある。

メリット・デメリット

メリット
  • 本物の木目を使いながら、節・白太・色幅を選べる
  • 着色によって、天然木では出しにくい色も表現できる
  • WPC加工や機能塗装を使った製品を選べる
デメリット
  • 塗装が厚い製品では、木肌の触感が弱くなる
  • 深い傷で突板が切れると、下の基材が見えることがある
  • 工場でつくった色や艶を、現場補修で完全に再現しにくい

突板は「木目を選び、組み立てる」床材

無垢フローリングでは、床板一本ごとの木目や色をそのまま使う。突板フローリングでは、原木から薄く取った木を選別し、基材の上へ配置して床の表情をつくる。

連続してスライスした突板は、一枚ごとに木目が少しずつ変化する。その順番を生かせば流れのある木目となり、節や白太を選別すれば整った表情にできる。さらに着色や艶の調整を加えれば、同じ樹種から異なるデザインをつくれる。

一方、薄い表面へ複数の加工を重ねるため、深い研磨で仕上げを作り直す床材ではない。傷んだ場合は、色を補う、欠損を埋める、専門補修を行う、床材を交換するという順で考える。

選ぶときに役立つ三つの視点

節・白太・木目をどこまで残しているかを見る

同じ樹種の突板でも、節の少ない整った製品と、節や白太を意匠として残す製品では、床面の印象が異なる。

カタログの一枚だけで判断せず、複数枚を張った施工例を見る。色差を抑えた製品なのか、天然木のばらつきを見せる製品なのかを先に決めると選びやすい。

木の色か、着色でつくった色かを見る

グレーや淡いホワイトの床でも、木目が本物なら突板フローリングに含まれる。ただし、見えている色が樹種本来の色とは限らない。

着色タイプは内装をまとめやすい一方、傷で塗膜や着色層が切れると、周囲と違う色が見える場合がある。樹種名だけでなく、着色の有無と補修色まで確認する。

必要な機能を表面仕様から選ぶ

「傷に強い」だけでは性能を判断できない。椅子によるすり傷、物を落としたへこみ、キャスター、犬の滑りやすさでは、必要な表面仕様が違う。

WPC加工、耐すり傷塗装、キャスター対応、ペット対応などから、暮らしに必要なものを選ぶ。不要な機能を増やすより、使い方に合う表示を優先する。

選択肢になる住宅・注意したい条件

検討しやすい住宅
  • 本物の木目を使いながら、色や表情を整えたい住宅
  • グレーやホワイトなど、着色した天然木を取り入れたい住宅
  • ペット対応や耐傷仕様を、天然木の表面で選びたい住宅
注意したい条件
  • 無塗装の木肌に近い触感を最優先したい住宅
  • 同樹種なら、どの商品も同じ色と木目になると考えている計画
  • 深い傷を将来全面研磨して直したい住宅

購入前の確認と注意点

化粧単板に含まれる木目の範囲を確認する

同じ樹種の突板でも、節を抑えた製品と、節・白太・濃淡を意匠として残す製品がある。これは施工時のばらつきではなく、商品ごとに決められた化粧単板の選別となる。

採用シリーズに板目・柾目・節・白太がどの程度含まれるかを確認する。木目の範囲が希望と違っても、天然木だからという理由だけでは交換対象にならない場合がある。

木の色か、突板への着色かを確認する

突板フローリングには、樹種本来の色を生かす製品と、突板へ着色してグレーやホワイトなどを表現する製品がある。同じ「オーク」でも、見えている色のつくり方は同じではない。

着色層まで傷が達すると、下から異なる木の色が見えることがある。着色の有無と、メーカーが指定する補修色を確認しておく。

WPC加工と耐傷塗装を区別する

WPC加工は、突板内部へ樹脂を含浸・硬化させて木材組織を補強する方法。耐傷塗装は、突板の上にある塗膜で表面を守る方法となる。

どちらも「傷に強い」と説明されることがあるが、強化している層が異なる。突板そのものを強化しているのか、塗膜だけの性能なのかを確認し、へこみ・すり傷・摩耗のどれに対応する仕様かを見る。



ひつヤギ君

突板なら、どの商品を選んでも見た目は似ているの?

じギィ博士

同じ樹種でも違うぞ。板目と柾目、節や白太の残し方、着色、艶で床の印象は大きく変わる。突板は薄さより、表面をどうつくったかを見るのじゃ。

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